ツイッターで山口日昇さんと吉田豪さんの対談が
あると知ったので、『KAMINOGE』vol.2を買いました。
なかなか自分の行動範囲では手に入らなくて本日購入です。
(まだ手に入っていないという方、アマゾンでのリンクは
コチラ)
あらためて言うのもあれですけど
山口日昇さん=会長(※山口日昇氏のあだ名)は
私をライターにしてくれた師匠で、
吉田豪さんは私が以前入った会社である
ダブルクロスにいた大先輩です。
もともとライターになる前から私は
会長と吉田さんのファンで、そのまま
ダブルクロスに入ったので、
2人がおやりになることに対しては
私はいつもただ読者のようになってしまう。
2人が離れたとき、
その様子を会社の末端にいつつ見てました。
それは私にとって胸の痛い記憶です。
どうにかしたくてどうすることもできなくて
当時会社でガチ泣きしたのを覚えています。
仕事中に泣くなんて恥ずかしいことなので、
その恥ずかしさもあってよけいに痛い。
対談をやると知って
そのことを思い出してなんともいえない
複雑な気分でした。
対談の前に吉田さんの「キラ☆キラ!」を聞いて、
内容の予想はつきましたが、読みました。
読まれた人を対象にして書きますけど、
対談の最初の頃に出てくる
経理の●●さん関連の話については、
ちょっと読んでいられなかったです。
経理の方なのでもちろん在籍中御世話になったというのもあるし
わたし、会社やめて何年も経ってるけど、今でも
逢うことある人なんですよ。
こまかいエピソードではあるんですけど、
引越の前日に「豪ちゃんの机はないから、
荷物をまとめておいて」と言ったという話ですが、
これについては
会長自身が「俺が豪ちゃんと話す」という風に
●●さんに対しても、他の人間に対しても
言っていたから、まわりは妙な空気を
感じつつも何も言えずにいたんですね。
で、当時の会長はほんとに忙しくて、
結局話す時間を取れずに日にちが迫ってきて、
●●さんとしては、会社のトップである
会長が話すって言ってるから
自分が出過ぎるわけにはいかない、
でも、●●さんは経理であり総務でもあったし
会社の引越を取り仕切る立場でもあったから
どうしようもなくて、最低限のことだけを
ギリギリで伝えた、という話だったはずです。
「もっと家賃をとらなきゃ」云々については
経理だからそういう計算をするのも
しょうがないと思うし
会長が会社を不在にすることが増えていって
多分●●さんとしても自分が上に立ってなんとかしないと
という気持ちがあったはずです。
で、雑誌としても誌面がPRIDE中心になっていく中で
どういうものをやってもらうのがいいのか、
吉田さんも編集部も探っていた頃だったと思うのです。
吉田さんとしては、対談の中で
おっしゃられているように、誌面として
バランスを取る方法を探っていたと思う。
そういう状況下で●●さんは
インタビューをやってもらうのが難しいなら
もっと下の子たちを見て欲しい、
吉田豪っていうすごい人が身近にいるんだから
その人に仕事をしてもらわないのは損だ、と
会長にも私たちにも言っていました。
それが難しいなら家賃を払ってもらって
なあなあの関係ではなくて
ドライに、編集とライターとして付き合っていくべき
と主張されてたんです。
会長としては、豪ちゃんはあれだけ
個人で仕事が取れるようになってるんだから
もう1人で事務所を構えてやっていく時期じゃないか、
とはいえ豪ちゃんのやってくれる仕事は
誌面としても携帯サイトとしても
大きな意味があるから、
豪ちゃんが事務所に今後も居続けるなら、
そのことにどういう意味を
お互いに持たせていくのか、
それも含めて俺が一度、ちゃんと豪ちゃんと話をするから、
……と、私は会長の言葉で聞いた記憶がある。
●●さんとしてはその決定に従って
新しい事務所のレイアウトや机の発注もするから
待っていたそうですけど、
でもまぁ話さずに終わっちゃって、あの対談につながる、
という感じです。
会長は、人と話すということを
すごく重く考えている人で、
じっさい話をし出すと全部話さないと気が済まない
性格でもあるので、ちょっと話し出したつもりが朝までとか、
かるくかかっちゃう人でした。
(帰りがけの会長に確認のために話し始めたことで
終電のがしたりとかよくあった)
重く考え過ぎているがゆえに話すのを
どんどん後回しにしちゃって(周囲も遠慮して)
結局話さないで終わるみたいなことがあったり
会長的に10伝えなきゃ気が済まないのに
2や3しか話せないなら、いっそ話さない
みたいな道を選ぶことがあって、
あの件はそこがとくに悪く出たケースじゃないのかな
と私は勝手に、よく見ていたファンとして思っています。
対談の全体的な感想については
吉田さんが優しいなと思いました。
話すべきときに話さなかったのは会長で、
いまの吉田さんにとっては話さなくてもいい状況
だと思うのですが、
それでも逢って話して向きあいつつ、
ちゃんと対談として成立するように
読者向けのネタを差し込んでくれている。
その上で踏み込んだり引いたりの技術も
たいへん見事で、さすが吉田さん、です。
会長がわざと偽悪的に振る舞っているのかなとも
思いますけど、なにかに火をつけようと
されているのかもしれないですけど、
というか忘れてしまわれているので
しょうがないんですけど、
触れられている他の人については
書き手なら不満や事実と異なる点があれば
自分の言葉で反論しようと思えばできるけど、
いまの●●さんは書き手でも表現者でもないし。
会長に対する気持ちも吉田さんに対する気持ちも
変わらないです。
どちらも私にとって大切な師匠と先輩です。
で、その気持ちの根本は
ファンとして2人を見ていたころと同じです。
ただ、●●さんも私にとって御世話になった人で
伏せ字にはしてあっても、忘れちゃってるにしても、
そこだけは自分の知ってることを書いておきたかったし、
会長が忘れちゃってる部分を含めて、私の中の会長なので。
ああいう対談を喜ぶ人たちに対して
冷や水をかけてしまうような行為なんじゃないかと
悩んだんですけど、やっぱどうしても気になって、
こういう紙プロらしくないことを書いた次第でございます。
でももう書くこともないでしょう。
基本的に恐れ多いしこれも書いてて申し訳ない。
対談を読んであらためて思ったけど
私はあそこだからライターになれたけど
あの場所にとって私は異分子だったし
周囲も私をあつかいづらかったと思う。
すいません。でも感謝しています。
そして、会長と吉田さんが再び逢われたこと自体は、
私はとても嬉しいです。
最後に思い出した話をひとつ
●●さんから聞いた話なのですけど
●●さんがダブルクロスから離れた後、
趣味で観に行ったプロレスの知人と
飲み会かなにかをやったときに、
知り合いの知り合いくらいな感じで
たまたまザ・グレート・サスケさんが
いらっしゃったそうなんですね。
で、ダブルクロスにいた●●さんのことを
サスケさんは覚えていらして、
「●●さん!」とサスケさんから声をかけてきて、
「聞きましたよ! いや、ボク、
まったく事情を知らなくて。
詳しいことは分からないんですけど
ボクはあなたの味方ですから!」
とおっしゃったそうなんです。
●●さんは
「なんにも詳しいことを知らないはずなのに
味方だと言うサスケさんに
思わず笑ってしまった」そうです。
かなりの確率で会長にも
同じような意味のことを違う言い回しで
おっしゃっているような気もするのですが、
サスケさんらしいなと思いましたし
なんかいいです。
たのもしい感じがする。
というかサスケさんこそ味方が必要な感じもします。
いや、みんなサスケさんの味方です。
きっと。