2015年12月25日

漫画「母親やめてもいいですか」感想〜追い込まれるという感覚



「母親やめてもいいですか」
なかなかインパクトのあるタイトルです。
レジに持って行くのに勇気がいりました。

母親やめてもいいですか」は、
発達障害の娘さんを持ったお母さんの
葛藤を描いた漫画です。

……きついです。きつかったです。

いい気分になる漫画ではないです。でも、
いろいろなことを考えさせられました。

自分への気づきが多い読書体験だったので
感じたことを順に書いていきます。


・ざっくりと内容

主人公の女性と、お子さん=たからちゃんの
発達障害について描いた漫画です。

主人公の女性=山口さんは、
たからちゃんが発達障害かもしれないと感じた後
精力的に発達障害について調べ、行動を開始します。

診断が出て、一度は落胆したもののすぐに気持ちを切り替えて
信頼できるお医者さんを探し、作業療法が受けられる施設へ
たからちゃんを入所させて、少しずつ前へ進んでいく。

……という前向きな前半部分から一転、
たからちゃんの将来への不安と、
それだけ一生懸命にたからちゃんのために動いているのに
反応が返ってこない、一方的なやりとりに疲れた山口さんが
落ち込み、ネットにハマりこみ、さらに落ち込む。

たからちゃんは保育所に入ることができたのに、山口さんは
落ち込みから逃れられず、気晴らしを求めてチャットし、
ネットの仲間との疑似恋愛をはじめる。
同じ療育仲間だった奥さんの誘いで新興宗教と
心のよりどころを探していくうちに、家庭はバラバラになってしまう。

書いててつらくなってきました。
ただ、最後はきついだけの終わり方ではないです。


・主人公の母親が自分と似ている

母親である山口さんは75年生まれの
フリーライターさん。わたしと同じです。
生まれた年と職業と性別が同じという
だけじゃなくて、ライターという職業に
つくような人だからなのか、私は、考え方というか
「追い込まれ方」が、自分とそっくりに感じました。
だから余計に怖かったです。
「やばい」と思いました。

どういう点を「やばい」と思ったのかについて、
私のようなタイプの人と、私のようなタイプを
身近に持った人への参考に書きます。

前半、たからちゃんの行動やかんしゃくに疑問を持った
山口さんは、疑問点をネットで調べ、病院に予約を取って
精力的に動き、後に通うことになった施設でも
「山口さんは詳しいから」と言われるようになるくらい
発達障害について調べています。

すごいわかる。私も息子に何かあったら
現時点で自分が持てる情報を全部得ようとするはず。

その後「療育は特効薬ではない」と気づき
一生つきあっていくという現実の重さを感じながらも
たからちゃんとコミュニケーションを取ろうとするけれど、
一方的で心が通い合わない日々に疲れていく山口さん。

「子どもがかわいいと感じられない」
「でも、子どもが将来いじめに合ったり、つらいめに合うのは
 耐えられない(=そのためにコミュニケーション能力をつけさせたい)」
と、悩みをこじらせていく。

これは主人公の山口さんがそうだと断定しているわけではなく
私が勝手に感じることなのですが、
山口さんはきっとテキパキと現実に立ち向かっていくタイプの
人だと思います。

でも、そのテキパキは
「不安や課題を持ったまま生きていくのに耐えられない」
という、キャパシティの小ささ、
心の弱さからくるテキパキだったんじゃないでしょうか。
なぜそう感じるかといえば、私がそうだからです。

ゆったり構えた人って、私の印象だと、
多少の問題があってもくよくよしない人なんですよ。
「うちの子、○○なところがあるけど元気だからまぁいっか」
そう思えるのが、いいお母さんぽいですよね。なんか。

私、基本的に締め切りを守る人ですけども、
それは仕事を抱えた状態でいるのに心が耐えられないからであって、
決して仕事ができる人間だからじゃないんですよ。

で、そういう人間というのは、
一回失敗すると、ダメなんですよ。
ものすごい落ち込んじゃうんです。

テトリスで失敗して、画面下に
4段くらい積んだ状態を想像していただきたい。

多少のトラブルを抱えた心の状態というのは、
そんな感じだと思います。私はそうです。
心のキャパが狭いと、ここから一気なんですよ。
一瞬で上まで積み上がる。
ゆったり構えていられる人、は
その状態でも、ゆったりしていられる人なんです。

主人公の山口さんは、学生時代の最大の関心事が
「人間関係」だったと書いています。
「友達とうまくやることは、私の『生きるための戦術』だったのだ」
と本の中にありました。
不妊に悩んだときもネットでサプリの情報を調べて
独自の配合を考えて成功したと本の中で触れています。

頑張り屋さんで、努力で現実を乗り越えてきた人なのだな
と思います。
でも、本の中で描かれている落ち込み方をみると、
もしかしたら私と似たタイプで、
問題を持ったままでいるのが耐えられない、
問題と共存していくという考え方がしづらい人なのでは
ないかなと感じました。

本の中の、心の負担のテトリスが積み上がっていく過程が
非常に自分の「追い込まれ方」に似ていて、
漫画の中ではそれと同時進行で家庭が壊れ、主人公が
壊れていく状況に対して、積み上がった心で
なにもできずにそれを眺めながら
つかのまの息抜きと言い訳して
逃避するような様が描かれているので……

うわぁぁあぁぁっと思いました。


長いので、いったん切りますね。
つづきは明日。
posted by ささきぃ at 11:10| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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