2007年06月20日

わたしの「ゾディアック」

全日本キック・タイ遠征、帰りの飛行機で映画を1本見た。
「ゾディアック」。

「ゾディアック」は、現実に起きた連続殺人犯で、
いまもまだ事件は解決されていない。

「ゾディアック」を名乗る犯人は新聞社へ暗号を送りつけ、
今後も殺人を続けていくことを表明する。

新聞社で風刺漫画家として働いていたのが
この映画の原作になった「ゾディアック」を執筆した
ロバート・グレイスミス。

敏腕記者としてゾディアック事件を取り上げた
グレイスミスの同僚であるポール・エイブリーは、
スクープを取り上げて一瞬喝采をあびる。
だけどその後、犯人からの脅迫を受けて
じょじょに精神的に壊れていく。

エイブリーに対して、グレイスミスが
「ゾディアック事件を本にするべき」と迫る。
それは、友人としてのエイブリーを心配して言う気持ちと、
ゾディアック事件に対する強い興味から来ての発言なんだけど、
エイブリーは「古い事件だ」と突き放してしまう。

「それでも書くべきだ(なぜなら今のおまえは見てられないから)」
と追いかけるグレイスミスをエイブリーが突き放す。

その場面の台詞がずっと頭から離れない。


「そんなに重要だったら、おまえはいったい何をしてた?」


重要なことなのに、おまえがやっていたことは、
俺のゴミ箱からメモを拾って、図書館に行っていただけだろう、と。

ここからグレイスミスは、
本業もほっぽり出して本格的に事件にのめりこんでしまう。

あまりにものめりこみすぎるあまりに
家族との関係がこわれたりもするんだけど
それでも突き動かされちゃう衝動がある。

映画のHPには
「ゾディアック事件には、
 関わった者をハマらせてしまう何かがある」
なんて書いてあったけど、
ゾディアック事件だから、と言える話じゃない。

「知りたい」「形にしたい」というろくでもない衝動。

すぐ後のシーンで、執拗に資料を調べたグレイスミスに驚いて
「なぜ、こんなことを?」という問いを投げる刑事。

「誰もやらないから」と答えるグレイスミス。

「こういうことをしたい」「こういうことがあればいいな」
「こういうことをやるべきじゃないか?」
そう思う人間は、動かなくちゃいけない。

自分が適役じゃないと思ったとしても、
もう、その衝動を持ったことこそが資格なんだ。

仕事上で自分がそういう状況になったこともあるし、
人がそうなってる様を見たこともある。

そういう感情を持っても動けない人を見たこともある。
だけどその大半は言い訳だった。
自分もそうだった。

いたたまれなかったです。


私が関わっていることは
私にとってのゾディアックで、
投げだそうと思うことはいっぱいあるけど
エイブリーの言葉が頭から離れないです。

人がどう思うかじゃなく、
自分が重要だと思うことをどれだけ大事に出来るか。
「こうあるべきだ」という衝動があるなら、
それはやらなきゃいけないことなんです。

自分じゃなくてもいいって思っても、
自分のダメさが嫌になっても、
足りないところだらけで嫌になっても、
それでも、やらなきゃいけない。


わたしは余計なところで身につまされてしまったけど、
映画はとても面白いです。

グレイスミスはきちんと本を完成させた。
私もそうならなきゃ。


映画「ゾディアック」公式HP


posted by ささきぃ at 18:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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