2008年04月15日

「いとしのリリー」を読みました

栗本薫の小説「いとしのリリー」。
エリーではありませんよ。リリーです。
多重人格の小説です。

専門家ではないので、ふさわしくない表現があったら
ごめんなさいなのですが、読み終えて

つらい状況が起きたとき、なんとかして
その場に適応しようとするのが人間の性なんだなぁということ、

そして、相手の良くないところに付き合いすぎることは、
相手のその部分を育ててしまうことなんだなぁということ。

そんな感想を持ちました。


おかしな性格の人がいるとしたら、やっぱりその周囲には
それを許してきた人たちがいて、同時にそうすることで
何かが「うまくいってた」から、現在があるのだということ。

何もメリットないことに人間は動かない。
たとえそれが現状からただ逃げるだけのことであっても、
何かしら本体を助けるために稼働している装置なんだなぁと、
あらためて、思いました。

「ときには、人は生きることよりもさえ、理解されることを
 のぞむのかもしれなかった」

という一文があって、あぁ、と、思いました。

どんな面であっても、相手を「わかる」「わかられる」と
いうのは、なんか「好き」ということよりも上じゃないか
と思うような、深い安堵感がある行為じゃないかと
考えていたところだったんですよ。

小説は「嘘は人を苦しめる」という言葉につながっていって、
嘘で成り立った人間関係が静かに終焉する、そういう話ですが、
読んでいて、読者自身が
「わかってもらえた」ような感覚に陥るような小説でした。



posted by ささきぃ at 23:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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