2009年12月19日

買いました『結局、女はキレイが勝ち』

書いておいて、そのままというのも何なので。
買いましたよ。
勝間和代さんの「結局、女はキレイが勝ち」。

アマゾンのレビューを見ると
五つ星なのにまったくほめてないように思えますね。

……まぁ、ほめられないですよ。
突っ込み放題ですよ。
想像以上でしたよ。

前書きで、まぁやっぱり
キレイとは外見だけじゃなくて内面のキレイも含む、と
前置きがしてあります。そこから想像出来るように
本の後半は、外見のキレイじゃなく、内面キレイ度アップのための
心がけが主です。
「ピンチはチャンスの種」とか「短所と長所はとらえ方次第」とか、
なんか、中谷彰宏さんに言われてるような感じの心がけです。

まぁそれはいいや。
それはいいけど、肝心のキレイについても、
前書きの最後に

「『キレイ』とはどういうことか、どう考えるかについては、ミス・ユニバース・ジャパンのナショナルディレクターで、知花くららさんや森理世さんを育てたことでも有名なイネス・リグロンさんの著書『世界一の美女の創り方』(マガジンハウス刊)に、参考になることがいっぱい書かれています」

と、いきなり参考図書をあげているのは、どういうことなのでしょうか。
じゃあ、この本じゃなく『世界一の美女の創り方』を
読めばいいのではないでしょうか。

プラスの参考図書で、過去のご自身の本を2冊おすすめされているのですが、
なんで、新しく本買って読んでるのに冒頭で他の本すすめられなきゃ
いけないのか、よくわかりません。

もっと理解したい人のためにと、後書きで触れてるなら、まだ分かるけど。

これ以上突っ込むのも、なんかどうかと思ってきましたが、
一応。

「セミロングは七難隠す」についても、
なんで七難隠すのかという裏付けは特になく、
「たとえば、いいパートナーを手に入れるには、男子受けする外見の人のほうが強いですよね。ボーイッシュなショートヘアより、セミロングのクリンクリン巻き髪のほうが男子の目をひきます。髪が伸ばせるのは女子の特権なのですから、男子受けするヘアスタイルを取り入れないのはもったいないと思います」
という理由からです。

じゃあロングでもいいじゃないか。なぜセミロング限定なんだ。
多分、ロングよりも手入れが簡単なんだろうし、アレンジが
きくということなんでしょうけど、なぜそれに触れずに、
男子受けのことを先に書くのでしょう。

「キレイにはやっぱりHも大事」についても、
スキンシップの回数が増えると女性ホルモンの出方が変わるとか、
見られることで体型や肌の手入れに気を遣うようになるという理由から。

さらに「結婚がいいのは、特定の相手といつでもHができるからです」と。
別に、ある程度モテる女性だったら、結婚してなくてもいつでもHはできるのではないでしょうか……。

さらに「50平米のスイートは1泊5万円、結婚して50平米の部屋に住めば家賃12万円で、2晩半で元が取れてしまう計算です」って、それはどこから突っ込めばいいのでしょうか。

……そんなホテル利用する人が家賃12万の部屋に住むかなぁ(そこからか)
ていうか、場代の問題じゃないでしょうと。
雀荘じゃないんだから。
だったら相手とか自分の家だった場合は……と、そういう問題でもない。

オヤジギャグですか? キレイ本でオヤジギャグ?
いや、そうなんだと信じたいです。そうじゃないほうが恐いです。
私は勝間和代さんを信じます。

「不倫の費用対効果は最低最悪」についても
「慰謝料を請求されて全額かぶるくらいの覚悟があり、それでも相手を好きなら貫けば良い」そうです。
しないほうがいいのは誰しも分かっていて、それでもやっちゃってる人に、
そこから理屈を説くのも……。

スカートは男子受けがいいので戦略的に履く、なんてことも、別に勝間さんに言われずとも、どんな女子も意識的にやっていることです。
でも、たしか勝間さんは、以前の本で
「スカートはストッキングとかを考えるとコストがかかる。働く女子はパンツスーツがいい」
という記述をされていたか、対談で語ってらしたと思うので、
私としては、そこはなんか、言ってること違うじゃんと思わずにいられないです。
いま本が手元にないんで、正確に出元を言えず申し訳ないのですが。

ていうか、勝間さんは最近これらのことに気がついて、
だから人に言いたいのかなぁ、それとも、勝間さんの周囲に居る人は、
こういうことから伝えないといけない人たちばかりなのかなぁと、
むりやり温かい目で見ようとも思ったのですが、
ひとつちょっと怒り気味に書いておきたいのが
「長時間労働は女子を急速にオヤジ化させてしまう」という章。

時給制以外で、長時間労働をしたくてしてる女子がこの世のどこにいますか。

「オヤジ流のモーレツな働き方は心身によくありません」って、
そんなもの誰がやりたくてやっていると思ってんだ。

「ある程度仕事ができるようになり、仕事の量が増えてきたら、どこまでやり、どこまでしないかを自分で見極めることが大切です」って、
そんなの、長時間労働して疲れてそれでもキレイを磨こうと思って
この本を手に取るような女子には、百も承知でしょうよと。

それでもキレイを目指したくて、本を手に取ってるんじゃないのかな。
そういう読者に対して、この言葉は、ちょっとなぁ。

そんな仕事編のテキストの中に「自分を引き立ててくれるパトロンを探せ」
と書いてあった日には、私が現役バリバリのワーカホリック女子だったら
本を壁に投げつけ、コンビニに酒とつまみとチョコを買いに行くことうけあいです。
怒りでますますキレイから遠ざかってしまいます。

「この部署でこの仕事をやっていきたいと思っていても、周りから足を引っ張られるような環境ではやっていられません」って言われてもさ、
それでもやっていかなきゃいけないから働いている人がほとんどで、
その解決方法が「思い切って異動してしまうのも手だと思います」って、
こんなうわっつらなアドバイスはないですよね。

細かく突っ込んでいくといくらでも出てくるんですが、
これは勝間さんじゃなく、編集サイドの問題と思う点をひとつ。

冒頭のカラーページで、勝間さんの今年最初の頃からの写真に添えられて、
勝間さんから、09年5月の打ち合わせで「『次の本だけど、年収は10倍アップ、体重は10kg減ってどうかしら?』と、驚愕の提案が」出たという文章が書かれています。

それって、この本なんですかね?

本の中には、ダイエットに励まれているという記述はありますが、
どこにも10kgやせたという記述はないんですが、
……できなかったということなんでしょうか、と、思ってしまうんですけど。

これは、どういう意図があってのものなんでしょうか。

いや、だって、そのキャプションが添えてある次の写真には
「ダイエットの決意を内外に示すため、あえて体の線を出すスタイリングに」
とあって、次の写真は
「ウエスト周りがすっきりしてきた勝間さん」
とあるんですよ。

わざわざ順を追っていくように書かれていて、最後の写真の
ひとつ手前に
「ところが、この後勝間さんは海外長期取材が立て続けに入り、食生活のコントロールができない状態に」
と、わざわざ説明が入っている。

そして最後の、表紙と同じ写真には
「ダイエット宣言から半年後、カバー撮影の日」
とだけあって、
勝間さんの言葉で「ダイエットはまだ途中ですが、まだこれからも続けていきます。キレイになる努力は、費用対効果が高いですから」とある。

実際に10kgおやせになっていたなら、体重出した方が絶対に効果的ですよね。
それに、途中、体型のことを書いていた意味が
表紙の写真からは伝わってこない。(全身写真じゃないから)

これじゃ、10kg減する予定で本を作っていたのに、変わってしまったのか、
と邪推せずにいられなくないですか。

なんでわざわざ10kg減って言い出したこととか書いてあるんでしょう。

単に、きれいになろうと努力をはじめた勝間さんがいて、
どんどんキレイになっていく様を説明するだけで、
いいんじゃないでしょうか。
それだけで、素晴らしいことじゃないんでしょうか。

最後に。

文章については上のように本当に突っ込み放題だったので、
せっかく買ったので突っ込ませていただきましたし、
一部の文章にはちょっと憤りというか、納得できないものを
感じましたが、表紙の勝間さんは、キレイだと思います。

キレイだし、フェミニンだなと。

それはほんとに、そう思いました。

つまり、私が本を買って読んだ感想は、書いてあることはひどいけど、
表紙の勝間さんは、キレイだなと思った、ということです。

それが「結局、女はキレイが勝ち」という本を読んだ感想だとしたら、
「キレイが勝ち」の「勝ち」って、いったい何に勝ってるんでしょう。

「頭が良くて地力があって、なおかつ見た目もキレイというのは最強ですよね。最後に勝つのは、やっぱりこういう女子です」って書いてあったけど、多分、そういう女子は、最初から最後まで普通に勝っていると思います。そもそも「最強」なんだし。
posted by ささきぃ at 02:13| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月16日

勝間和代さん新刊「結局、女はキレイが勝ち」に思うこと

勝間さんの新刊が「結局、女はキレイが勝ち」というタイトルで。
まだ中身は読んでないんですが、
タイトルを知ったときの感想を。

本のことはツイッターで知ったんですけど、
そこで私が書いたのは

☆ついったで勝間和代の新刊タイトルが「結局、女はキレイが勝ち」だと知って仰天。くっだらねぇぇえぇえええええええ!!

☆本の紹介文が「タイトルはずばり『結局、女はキレイが勝ち。』、勝間氏のキャリアを通して得られた結論だ。」だそうだ。それ、単なるキャリア系女子の敗北宣言じゃん! でも、この本は売れるんだろうな・・・。

でした。
このへんのこと、もう少し詳しく書きます。

多分、こうして反応すること自体、
タイトルをつけた側のしてやったりでしょうけど、
なので、よけいにちゃんと書きますね。

勝間和代さんの本は、何冊か読んでます。
きらいか好きかで言えば、好きなほうです。
「戦略」って言葉が印象的な人ですけど、
戦略っていうより、
勝間さんの本質は、無駄をはぶくとか、
もったいない精神、そっちのほうがお得的価値観、
言い方変えると主婦的価値観がベースなんじゃ
ないかと思うのですね。

三毒追放(愚痴らない、ねたまない、怒らない)とか、
自転車で通勤とか、グーグル化うんぬんについても、
全部、「そうした方が得だから」という、
勝間さんのお得感追求精神から来るものだと思うんです。

で、勝間さんがキレイについての本を書くということ自体は、
「キレイでいたほうが得」
という、価値観にもとづくものなのだろうなと、
なんとなくは感じるのですね。

ご本人がブログであげている本の中のトピック
「セミロングは七難隠す」とか「不倫のリターンは最悪」
とかも、キレイがどうこうじゃなくて、
お得感精神から来るものに感じます。

読んでないうちに書くから的外れかもしれないけど
そりゃセミロングは「それなり」に見える髪型だし、
不倫なんてしたって何もいいことないから言うのは分かる。
でも、長い髪がやっぱり好きなのとか、短い髪は私らしくていいのとか、
損するって分かってても私はあの人が好きなのとか、
そういう無駄なことこそが美しいとも私は思うんですけどね。
(でも不倫はやめたほうがいいよ)

それでもそうしとけって言うのは、そうしといたほうが得だからっていう、
お得感追求の気持ちか重要事項にあるからと思うんですよね。

話がそれた。だから本の内容自体は読んでないけど
まぁ勝間和代的と言えなくもないです。

ただ、

キレイでいたほうが得なんてことは、
勝間さんに言われなくても全然みんな分かっていることです。

実力が同じか、少し上回ってるくらいだったら
断然キレイなほうが勝ちですよ。
男も女もどっちもそうだけど女のほうは断然ですよ。
でも、それが分かってるからこそ、
みんな真剣に実力つけようと思って頑張るわけでしょと。
その実力をつけるために、いかに効率よく戦略立てて生きるか、
それを考えてきたのが勝間和代でしょ、と。

いまさら、勝間和代がその一般常識に準じるような
タイトルの本を出しちゃって、どうするの?
という、疑問を感じたのでした。

勝間和代が出すなら
「美人という戦略」とか「策略美人になる方法」
とか、そっちなんじゃないの? という疑問なんです。

仕事なり、結果なりで認められてきた人が、
「結局、女はキレイが勝ち」って言っちゃったら、
しかも自分が表紙でそんなこと言っちゃって、どうするの? と。

勝間さんは、「成功を呼ぶ7つの法則」の中の
学生との対話の中で
「女である自分が仕事でキャリアつけて認められるには、
 男でも女でもなく、宇宙人になるしかなかった」
と言っていて、それは、自分にはすごくうなずける言葉だったんですよ。

私は、性別とか関係なく
仕事や他のことを通じてなにかを成し遂げようとした人なんだと思って、
そういう勝間さんの発言なり、方法なりはすごくいいなと感じてきたけど、
結局は女に戻って「キレイが勝ち」なのか、
そりゃ女だったら誰だってキレイって言われたら嬉しいけど、
そこに戻ってどうすんのかと、戻るにしても
「結局」ってすごい重い言葉だって気づいてるのか、
それが本当にキャリアを通して得られた結論なのかと。

そういうことまで考えての「くっだらねぇぇえぇえええええええ!!」です。

まぁ、実際は読んでみたら
多分、上に書いたような
「キレイでいることは人との関わりを驚くほどスムーズにする」
とか、
「キレイでいることで自分の仕事をやりやすくする。
 それは私にとって戦略でもあるのだ」
的な(※読まないで書いています)ことが書いてある本なんでしょうけど。

でもなぁ……。
がっかりは否めないですよ。だいぶがっかりですよ。

「キレイ」関係の市場は驚くほどでかいけど、
リスクもはんぱじゃないと思うんですよ。
本気でキレイを追求しようとしたら、命がけですよ。真剣に。

外見のキレイとキャリアを両立しようとして、
いままで何人の女性が精神的に参り、
バランスを壊してきたか。

そういう意味でも、やめたほうがよかったのにと思ってしまいます。

……もう、いいや。
商売としては成功なのでしょう。
なのでしょうけど、それ含めてこだわってこその戦略じゃないのさ。
数字とポリシー両方求めて貫いてこその現代じゃんよ。

買って読んだらまた別に感想を書くかもですが、
とりあえず自分は、そう思いました、という話です。
posted by ささきぃ at 19:15| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月28日

よしながふみ「大奥」読み始めました

「きのう何食べた?」から始まって
「愛がなくても食っていけます。」から
「それを言ったらおしまいよ」「愛すべき娘たち」と
読んでいって、よしながふみは面白いなー、と思い
よし、信じたぞ! と踏み切って「大奥」読み始めました。



現在進行形の長編漫画は裏切られるのがこわいから
作家を信じないと読み始められないんです。

いま2巻目なのですが、
よかったよかった。面白いです。

将軍は女、大奥には美男三千人・・・という
まぁ「真っ赤な嘘」を描いた漫画ですけど
大きな嘘をひとつつくために、
実際の史実の裏打ちがおそらくあって
すごく丁寧な人物描写があります。

「男の嫉妬」っていうのが
作品に貫かれたひとつのテーマだと思うのですが
いやいやこわいんですよね男の嫉妬。

男の嫉妬、なのか、男の女々しさであり
女の男らしさなのか。

よしながふみという作家は、
たぶん、そういうことをこの作品だけでなく
自身の描くもので表現しようとしている人だと思います。

「大奥」は現在5巻目まで出ているんで
現在まだ2巻目読み終えたところでこの面白さなので
ここからどうなるのか楽しみでございます。

大きな嘘をひとつつくために数多くの裏打ち
という点と、物語の舞台が近いという点で
ずーーーっと昔に読んだ「後宮小説
」を思い出しました。

そして他の作品と比べてみて
「本人が自分の持っているものの中で、やりたいようにやった」作品と
「作品のために、やりたくない仕事もやった」作品の違いを
感じました。

「きのう何食べた?」とか「それを言ったらおしまいよ」とかは、
おそらくですけど、作家本人の中の貯蓄で描いた作品だと思うんです。
(それもすごいことです)
んで「大奥」は、歴史の検証とか含めて、やりたくないことも
やっている作品だと思う。

多分、史実の確認とかって、
作家からしたら、めんどうくさい作業だと思うんですよ。

でもやんなきゃ厚みのある作品にはなんないんですね。
そう思いました。

もちろん、前者の「やりたいようにやった」からこその
あっさりめの面白さというのも、その中だから描ける
すこし踏み込んだ心理描写というのも、これはこれでいいです。
家庭料理と料亭の料理の違いのようなものでしょうか。
posted by ささきぃ at 15:04| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月29日

私にとってのエヴァンゲリオン

いまさら。

テレビでやった劇場版「序」を見て、なつかしい気持ちになり、
「破」が自分の信頼する何人かの方のブログ等で絶賛されているのを
見て、見るべきかなぁと思いつつまだ手も足も出ていません。

私がはじめてエヴァを見たのはテレビシリーズが終わって、なんだか
えらくとんでもない終わり方をしたらしいという噂が
そういうのが好きな人たちの世界を包んでた頃でした。
多分、先に批評から読んでしまうような、そんな、
あんまり真っ当じゃない入り方だったと思う。

エヴァの世界は私にとって難解で、でも非常に
魅力的でした。面白いと言われる訳も分かりましたが、
でも絶賛している人を同時にすごく気持ち悪く思っても
いました。すいません。近親憎悪です。多分。

ただ難解でも読み解きたかったし、理解したかった。
エヴァ解説本の中で特に絶賛されていたのが
野火ノビタさん(※榎本ナリコ名義で漫画家としても活躍中)の
「大人は分かってくれない」
という、同人誌で発行されたテキストでした。

読んで、スゲェと思いました。

テレビシリーズ最終話でエヴァの物語が
破壊されたことに対する「怒り」がエネルギーでありながら、
レインの「引き裂かれた自己」を下敷きにした深い理解が
ある、他の精神科医師のコメントとかなんかよりも、
読者としてのやりきれなさと、こっちが気づかない部分の
指摘が折り込まれた、完璧な批評でした。

凄い人だ、と思っていましたが、その批評のすごさは
当の庵野監督にも届いてしまい、雑誌で対談するだけに
とどまらず、野火さんはなんと映画版エヴァの台本を
公開に先だって読んで、自分なりの意見をする
立場にまでなってしまわれていました。

「すげぇ読者」というのは「発見」されてしまう

というのは、私の人生においてカルチャーショックでした。
怖かったのも覚えています。

野火さん本人も、そうなってしまった以上、
批評をする立場ではなくなってしまったこと、
自分の意見が折り込まれている作品を見る複雑さに
ついて語っておられました。

「ともあれこの一大事で私が感じたことは、あー他者であるって
 すばらしい!でした。絶対エヴァに乗れないケンスケであって、
 キャーキャー言いながらハンディカム回してるのが幸せなんだよー。
 たとえそれが誤解でも。でも彼は14話の綾波に対する供述とか、
 観察者としては鋭いところがあったよね。そうゆうのがいいんだよ、本当に」

それでも、映画版エヴァ完結(※当時ね)が終わってからの野火さんの
テキストは本当にすばらしくて。本人もおっしゃるとおり
批評する立場ではない人が行った、こわれた批評ではあるんだけど、
補完計画を「ぼくを探しに」の絵本を用いて語ってあって、
あぁもうその通りでございますと、土下座をしたくなるほど完璧でした。

だからなんというか、私にとってのエヴァは
批評というもうひとつのテキストがあって
完全に補完されたものになってるんですよ。
補完完了済みなんですよ。

本編ともうひとつのサイドストーリーがあって
よりおもしろくなっているように。

・・・それをまたもう一回、というのが。

なんだろう、動かない。

もちろん見れば凄いとまた思うのだろうし、あっさり見に行くかもだけど。

ところで批評の本は
同人誌で発行された本だけど日本評論社から発行もされているな。
ですよ。
どうしよう、これも買っておこうか。

多分私の文章には大きく影響している方だと思うです。
エヴァを含む一連の流れとともに。

あと、庵野監督と富樫義博氏については
個人的にはその後、庵野監督は安野モヨコさんと
そして冨樫氏は武内直子さんと結婚されたのが
印象深いです。作家が作品を生み出す過程は、
やっぱ「ぼくを探しに」的というか、自分の欠けた部分を
探す行為でもあると思うので(陳腐な言い方だけど)、
結婚された後でも作品を生み出していけるんだというのは
なにか勇気にもなり、感慨深くもありな
これまた私にとっては事件でした。

でもどの作家さんもガンガン次の作品作ってるもんね。
留まってないしね。だとしたら私も見る側として次へ
行くべきなのか。そうか。

スポナビブログにはJ-GIRLSのことを書いています。
告知が完全に遅れましたが
これは書き終わって気が抜けていたせいです。
あちらはあちらでこちらはこちらで
ときどきのぞいていただけると助かります。
posted by ささきぃ at 18:03| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月15日

ノンちゃんの冒険

本棚を整理したのにともなって、本を読み返したりしています。
「ノンちゃんの冒険」は、好きなライターさんが紹介していた本でした。
以前書いた法則によれば、ピンとこないはずなのですが
時代性のせいか、ちょっとノリきれないところもあるけど、
そんでもちゃんと中心をとらえてくれているなぁと感じました。

恋人である哲学君(※こういう名に時代性を感じます)が
去った後、子供を身ごもっていることに気づいたノンちゃんと、
それをとりまく人たちの物語。

ノンちゃんの立場となって考えたり、産むことに賛成できない、
そしてそんな自分を自己嫌悪するおじさんたちの1人になって考えたりしつつ
響いたのは、おじさんたちの1人が書いた手紙にあった言葉。
(※こっちもこっちで大きな問題を抱えているのですが、それは割愛)

「絶望はいい。だがニヒリズムは悪徳だ。すべての記録を後の人々に残せ。」

ズドンと腑に落ちたというか、どっしり来ました。

希望がない状況だと思うのは自由だ、だけど分かったような顔をして
全部を投げ出したり受動的になるものじゃない。
いつか解決する時が来ると信じて、すべての記録を残すこと。

わかったような気になりました。
落ち込んでいたとしても残せるものも、
やれることも、あるだろうと。
posted by ささきぃ at 23:59| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月31日

名前のない女たちシリーズの「あかねさん」

名前のない女たち最終章の感想は前日書いたとおりですが、
その中に出てくる「あかねさん」のことが気になりました。
なので「あかねさん」が出てくる第3作
「“恋愛”できないカラダ 名前のない女たち3」
を読みました。

読んだ人にしか分からない感想ですが
著者は「あかねさん」が壊れた、狂ったと書いているんですが、
第4作の記述では、たしかにそう感じられますが
第3作の文章を読む限りは
彼女は、狂ってもいないし壊れてもいないと思います。

「あかねさん」は、
実のお父さんにずっと虐待されて性的な虐待もされていて
そこから逃げ出して暮らしていたのに
十数年ぶりにまた性的虐待されて貯金まで取られたという
(※はしょっていますが、もっと壮絶です)
あまりといえばあまりにショックなことがあった方です。

そりゃーそのことを思い出したり話したりしているときは
一時的に叫んだり泣いたりのパニックに陥ったかもしれませんが、
それは壊れたと言わないでしょう。当たり前でしょう。

その後も、職業がバレたくないからと訴えはしなかったけど
弁護士を通じて縁を切ると親に伝えたり、できるだけのことをしている。
その上で、仕事をしている。
そりゃ訴えるのが一番いいのかもしれないけど
それでも、すごい。と思う。

非常にしっかりしてて
己の人生に対して最大限の努力をしている人だと思ったので、
その人を壊れた、狂ったと書いては
よくないんじゃないかな、と、私は感じてしまいました。
少なくとも、第4作を読んだだけでは、
もっと、人として崩壊してしまったのかと誤解しました。
職業もAVじゃないし、他の方と、少し趣きが異なっている人だったので。

これはチキンと言われて結構なんですが
第4,3作、そして1、2と読むなかで
ひどいAVの行為の内容とか暴力描写とか読むのはしんどいし
やっぱ嫌悪感があって、気分悪かったです。

その子自身が受け入れて今があるなら、全然読めるんですが
他人にした暴力の描写とかが頭にくるほどきつかった。
やったあなたはいいけど、やられたほうはどうなっちゃうんだと。

どんなにきつい表現でも、その人が受け入れて、
いまも生きているんだと思えば、全然読めるんですよ。
他人にした暴力の描写とかは、この本に限らず
マンガとか読んでてもイヤになる。
その人がその後元気になったりしてるというのが分かればいいのですが。

こういうことを書くと「そこまで感じさせたら勝ちだ」的な
ことを言う人がいるんですが、それは全く違う話だと思うんですよ。

第4作のほうが読後感がいいというか、
受け入れて次に進もうという感じがありました。私は。
第3作は生傷感がありました。
後から読むと第1作は非常にフレッシュに感じました。
posted by ささきぃ at 23:59| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月30日

「名前のない女たち」シリーズ

郡山からの帰り道、
名前のない女たち最終章 セックスと自殺のあいだで
を読んでいました。
AV女優の方へのインタビューをまとめた本です。

内容もそうですが、女性に対するインタビューを書き原稿でまとめる
という形式も参考にしたいなと思って
郡山の駅で購入して読んだのですが、
サブタイトル通りの中身が重くてきつかったです。

「名前のない女たち」シリーズはこれまで3冊出ていて、
これが4冊目になるわけですが、タイトルにもあるとおり「最終章」。
ライターの方は、いまはAV業界から離れているそうです。

読んでいて、これだけ絶望的な人たちと会って半生を聞いていて、
業界としても先がないと感じたなら、離れるのは分かる気がしました。

これまでは、業界をプッシュする立場の文章も書いたでしょうから
その贖罪なのか「世界に対して、これだけは書いておかなきゃいけない」
とでも言うような、絶望的な現実がどっしり入ってました。

アダルトビデオが厳寒期で、いま素人の女性がAVに出たとしても
1本の撮影で払われるギャランティーが5万円くらいというのは
覚えておこうと思います。

というか、その事実だけでかなり絶望的だと思いました。

それを分かって入っていくのだとしたら、
もうそこは自己責任ですよね。

本の中にもそんな女性の例がありましたが、
浪費がすぎれば、百数十万円の借金は、
あっというまに作れてしまうと思います。

でもそのギャラと考えると
そこから抜け出すためには、たとえAVでも
一発逆転の道にはならないのだなと。
ていうか、まったくならないですよね。

こわいなぁ。

すごくチキンなことを書きますけど
どんなに真実であったとしても
やっぱりお金出して落ち込むようなものを見たり読んだりするのは、
しんどいし、イヤだと思う自分がいます。

読んだのは数日前ですが、自分が消化するまで
かなり時間がかかってしまいました。
posted by ささきぃ at 23:59| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月05日

いまさらサイバラブーム

西原理恵子ブームがいまさらのように
自分に来ています。
「毎日かあさん」
をようやく全部読みました。
素晴らしいとか、いま書くのもおかしいけど
やっぱりすごいです。

西原理恵子は西原理恵子のままお母さんになって
ちゃんと、自分は自分を貫いていて、
その上で、めちゃくちゃいい作品にしてる。

かっこいい。
いまさらなこともあるので、泣いたとか、そういう言葉じゃなくて、
かっこいいし、面白いと言いたいです。

お父さんである鴨志田さんの、居るときのことも、
いなくなったときのことも、全部ありのままで、
生活の中に入っている感じが、すごい。

男の子5人のお母さんのむぎちゃん話が大好き。

ていうか、男子はいくつになっても男子なのですね。
読んで実感しました。
posted by ささきぃ at 23:59| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月22日

西原理恵子の実力をあらためて

宣伝が続くと予告していながらも
いざ書く段になると、ちょっと気が引ける
中途半端な小心者です。

本屋にいってあれやこれやと欲しい本を購入したので
その感想をひとつふたつ。

よりみちパン!セのシリーズは
名作揃いというか、きっと編集する人も
読みたい本を作っているんだろうなと思わされるものが
とても多いのですが

西原理恵子「この世でいちばん大事な『カネ』の話」

すばらしかったです。

「まぁじゃんほうろうき」時代から続く
西原理恵子といえば、の「カネ」の話が、
旦那さんである鴨志田さんの存在や
世界の貧困の話と、まったくズレずにつながっていく。

「どんなときでも、働くこと、働き続けることが、
 生きる希望になる」

そんな美しい言葉と
「いい人」なことばっかり書いていると
悪い虫が動き出す、なんてぇことと
FXで一千万大損した話が、きれいに
西原理恵子という人間の中で消化されて
読者に向けての言葉であり説法として昇華されている。

いやはや。

すばらしかったです。

働くことの大切さを、あらためて。
posted by ささきぃ at 23:59| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月19日

「ピース オブ ケイク」最終巻

出てました出てました。
ジョージ朝倉「ピース オブ ケイク」最終巻

読みました。

……

雑誌で読んだときには、なんとか
己を納得させようと思っていたんですが……。

単行本で読み終えてみて、やっぱり。
やっぱりです。

こう終わらせるためには、終わるためには、
あと、もう1話か2話、足りなかったんじゃないか?
という気分です。
1話か2話なのか、1話か2話分の描写なのか。

大好きなんですよ、ジョージ朝倉さんのマンガ。
大好きで「ピース オブ ケイク」も、
どうしよう、どうしよう〜って感じで毎回楽しみに楽しみに
してきたんですが、
「間違いじゃない」って感じの終わり方ではあるんですが、
やっぱ、もう1話か2話、足りない!!
というか、私は足りないと思う!!

今のままでも面白いとは思うのだけど
ベストの敵は、ワーストではなくて
ベターである、みたいな、そんな言葉はありませんでしたか。
そういう感じ!

ヒゲ店があかりに会ってたあたりの描写なんか、
本当に胸が痛いんだけど、あかりの側の物語は?
それは外伝か何かで語られるのでしょうか?

ヒゲ店に対する揺り戻しも絶対にもっとあったはずだし
これまでのゆっくりゆっくりした描き方にくらべて
あまりにもそれが性急すぎやしないのかー。とかー。

団長からの告白にNOを返す場面は
回想じゃなくて、リアルタイムで描いてほしかった、とかー。

「少年少女ロマンス」の美しい絶望から希望への逆転に比べて
そこまでついていけずに終了してしまった感。

なんだろうなぁ、期待して見に行った試合が、
アッサリ1本で終わった時の感じと似てる。

そうするのは間違いじゃないんだけどさぁ という感じ。
もう少し、読者の感傷に付き合って欲しかった。

めんどうくせえ読者だな私。

マンガに限らず、誉めるときは手放しで誉めてるつもりなんですけど
それはとても奇跡なんだなぁ、と。
posted by ささきぃ at 23:59| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする