2012年09月20日

「仕事ハッケン伝」セカンドシーズン終了

NHKで放映されていた「仕事ハッケン伝」。
芸能人(お笑い芸人の比率高し)が
およそ1週間、企業の現場で働く という
番組でした。

全部見ていたわけじゃないんですけど
ワッキーが中華チェーンに入社、の
第一回を見て、おもしろいなと思ったのが
きっかけです。

一応、一般社員と同じ条件ということで
憧れていた職業の現場において
かなり厳しい目にあったりするのですが
ひとの仕事している姿を見るのが好きな私にとって
かなり好きな番組でした。

印象に残ってるのは
ピース又吉×ローソン の回と、
ザブングル加藤×雑誌編集者 の回、
あと、最初に見たワッキーの回です。

ピース又吉×ローソンの回は、わたし、正直ピース好きじゃなくて
(ピースがうわっと上がってきた状況を見て、漠然と
 そのあたりのコンビ芸人全般にいい印象がなかった)
又吉の本好きも信用なんねえとか思っていたんですけど、
あぁ、ちゃんと考える人なんだなと思った回です。

新商品のキャッチコピーを考えて「伝える」という回で、
自分の仕事もそうなんですが
アイディアって、ひらめきそのものも大事ですが
その対象について、どれだけ考えたかっていうことが
結果や向き合い方に出てくるので。

その「考える」ってことに対して、真剣になっている様子を
偉そうですけど、いいなと思いました。

ザブングル加藤×雑誌編集者の回は、
自分の経験した仕事でもあるので、
いやぁ痛い痛いとか思いながら見てました。

女子中学生向けの雑誌に飛び込んで、
若くてキツそうな(※褒め言葉です)編集者や
編集長にチクチク怒られながら仕事を覚えていく様を見て、
先輩目線と、新人目線の両方で
痛がりながら見てしまいました。
撮影現場の空気の作り方とか、見てていたたまれなくて。
女子中学生になかなか話しかけられない姿は、
まるで自分を見ているようで痛い。
でも、出来上がったページ見て、よかったねぇと。

ワッキー×中華チェーンの回
「スピード感のある中でしか、人は育たないと思う」
という、主任さんの言葉が
わたしの中に、とても深く残っています。

締め切りはとくにないよ、いつでもいいよ、
という中でじっくり何かやってみるよりも
あと1時間で全部やらなきゃいけない、どうするお前、
とか、
もう1分1秒でも早くやんなきゃダメだ、とか の
背中を押されてる中でどう動くか っていうほうが
自分を成長させてくれたりしてきたので、
言われてみれば、ほんとうにそうだなぁと。
ひじょうに現場の人らしい言葉だなぁと。

麒麟・川島×京都・庭師の回
録画しておいたのをさきほど観たんですが
「アメトーーク」とかでその性格や人となりを
よく知られている芸人さんだけに
与えられたミッションの大きさもあいまって
番組の集大成を想わせるような、壮大な回でした。
(番組HPの「飲みに行きたいなと思える人が、
 芸能界以外で出来たのは、僕の財産です。」
 という、ご本人のコメントが人となりと関わりの深さを思わせます)

ここに上げた回に限らず、ダメなところをさらして
苦労して、徹底的に付き合っていくので、なんか、
そっちの世界にハマっちゃって、
戻って来れなくなる芸能人が出てくるんじゃないかと
違う心配をしながら見ていました。

そっちの世界に行ったほうがいいんじゃないのかな
と思う人もいました。そういう意味では
危険な番組だったかもしれません。

とはいえ。
また観たいです。

回によってはNHKオンデマンドで、
まだ観られるみたいです。

NHKの番組HP「仕事ハッケン伝」
posted by ささきぃ at 16:01| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月16日

37歳のご報告

突然ですが、佐々木亜希は
つい先日で37歳になりました。

さんじゅうななさい!!
ずぅっと昔、インターネットというものに初めて触れて
プロレスや格闘技のことについて
好き勝手書き始めたのがOL時代でした。

そのころのメルマガには
25歳のOLって書いていたはずなのに、
いつのまにか37歳!!
干支ひと周りです!

わざわざ37歳という中途半端な年齢になったことなど
報告するつもりはなかったのですが、
SNS等を通じて
お誕生日おめでとうメッセージを下さった皆さんに
御礼を言いたかったのと、
別の報告がしたかったのであえて書いてみました。

37歳にはべつになりたかったわけではないですが、
今年は、前からなりたかったものに
なることができそうです。

年内に子どもが生まれます。
母親になる予定です。

今年に入ってから、プロレスや格闘技の
会場にほとんどと言っていいほど、足を運べずにいました。
それは他の仕事等の理由もあったのですが
妊娠が分かったということも、あったからでした。

今回もまたつわりが酷く
乗り物酔いみたいな症状がずっと続いてまして、
移動も移動先で仕事をするのも難しい状態でした。

会場じゃないところにも相当に出不精でした。
移動がとにかく辛かったのと、
なにぶん前のときのことがあったので、
ずっと怖くて妊娠のことが言えずにいましたし
そういう曖昧な状態で人に会うのも辛かったのです。

また、会場に行かずにいても
決まっている仕事や家事をこなすのが精一杯で、
体が思うように動かず
積極的に働くことや発信することが全然出来ませんでした。

つわりと不安を抱えた状態で地に足が着いていなかった上
書きたくても体が動かない、というような
ことも頻繁だったので
妊娠以外のことに関する、ツイッター等での
ここ最近の私の発する言葉や人との関わりというのも、
どこか踏み込みが足りないような、
受け取り手の方によっては、
らしくねぇなと感じられるようなものだったり
付き合い悪りぃなと思われるような
ものだったりしたと思います。

話せば分かってもらえると信じながらも、
思い詰めることをできるだけ避けていました。

とくにプロレスや格闘技に関しては
これまで取材をしてきた立場として、ライターとして
語ったほうがいいようなことも
観れず、語れず、語らずにいましたし、
そうなっていたことが
とても申し訳なかったです。

ただ、もうしばらく
そういう状態は続くのではないかと思います。
産まれた後のことを想像すると
気持ちの不安が解消される一方で、物理的には
いまよりもっと制限されるでしょうし
いまでは気づかない問題も出てくるのではないかと考えています。
すみません。

個人の事情で会場を訪れていない、報道を追い切れていない
映像で時折見る程度で、試合を見れていない
というのは、プロレスや格闘技の
ライターとしてはまったくダメなことで
その分頑張りますといっても
マイナスであるというのは理解しています。
まして子どもがいるとなれば
物理的に難しいこともたくさんあるでしょう。
37歳という年齢も年齢なので無理が怖いです。

無事に今回の妊娠を終えた後
またご縁があって関わらせていただけるなら、
そのマイナスを補う以上の、
佐々木亜希に頼んで良かった、と
言って頂けるようなお仕事が出来るように
精一杯頑張らせて頂きたいです。

でももし、そういう機会がなくなったとしても
私はずっとプロレスも格闘技も好きですし、見続けますし、
御世話になった業界とそこで出逢えた人たちを
忘れません。

他のお仕事についても同じです。
また取材してお話を聞いて文章にしたいしテキストも書きたいし
シナリオも書きたいし編集の仕事もしたいし
他の仕事にもチャレンジしたい。
いやむしろそうしたいから、前に進みたいから
働くことに対して自分のスタンスを
はっきりさせたいから現在があるくらいの気持ちでは
ありますが、しかし今はほぼ何もお受けできない。すみません。

できることなら今回の経験を通じて
人間として成長していたいと思います。
その上で以前よりもより多くのものや深みを
お仕事の中身やこのブログ等で伝えていけるようになること、
それが願いです。

(さりげなくアピールすると出産後に
 在宅中心で出来るお仕事やお手伝いなどありましたら
 よろしき時に頼んで頂けたら
 大変有り難いなと思ったりします)

いまは毎日できるだけ穏やかに過ごすこと
無事に出産を終えて
ここでそのことをお伝えすることを
最優先に考えて行動しています。

妊娠や出産については
いろいろなことを考えました。
このブログになるのか場所をあらためるか
わかりませんが、きっとどこかで
その考えたことたちについて書きたいし
書いてしまうはずです。

ご無沙汰している理由を
ずっとお伝えしたいと思いながらも、怖くて
つぎの検診で大丈夫だったら
つぎの検診で大丈夫だったら、と
引き延ばすような毎日でした。

気がつけばもう妊娠7ヶ月です。
もうすぐ7ヶ月も終わろうとしている時期です。

いまでも正直言ってめちゃくちゃ怖いです。
怖いですが、
もう、自分の中で今回のことは
黙っていたからといって、なかったことにできる経験では
なくなりました。

誕生日というどさくさに紛れて
書けずにいたことがようやく書けて
ほっとしました。

とにかく、元気ですので、ご心配なく。
子どもも元気に、中から私のお腹を蹴っています。
posted by ささきぃ at 22:09| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年07月17日

嫌なことに押しつぶされなくてもいい

中学1年の時、同級生にイヤなあだ名をつけられて
はやし立てられたことがありました。
よくあることっちゃ、よくあることです。

友達もいたし、暴力的ないじめでもなかったので
負けずに毎日学校には通っておりましたが
ある日、ふと心が折れたのでした。

朝、学校に行きたくなくて、泣き出してしまいまして。

行きたくない、と泣く私から
強引に理由を聞き出した母は
そのあだ名を言っていた主犯格の男子3人の家に
電話して、親御さんを通じて
娘にそんなことをするのはやめてください、
と言ってくれました。

その上で私には「学校に行きなさい」と言いました。
母に連れられて学校に行って、
母は「こうした形で先方と話をして、解決は
したと思いますが、先生も見守っていて下さい」と
担任の先生に一言、言ってくれました。

私の母はもう亡くなりました。
私が大人になってからは
決して完璧とはいえない親子関係でしたが、
中学のときの一件を思い出すと、
母には頭が上がらないです。

ただ、それで完全にあだ名が
なくなったかというと、そうでもなく。
沈静化はしましたが、
言ってくる奴は言ってくる奴でいました。

学年が変わって、3年になってから
いまさらのように、そのあだ名で
呼んできたりする奴がでてきました。

直接呼ばれたら言い返したり無視したり
できますけど、そうじゃなくて、
コソコソ聞こえるか聞こえないかのレベルで
つぶやいて仲間うちで笑ってたり、
というやつです。

あだ名をつけられたこと自体は
私のほうにも原因があったことなんで
しょうがねぇかなとは思っていますし
こうして書いていても、我ながら
たいしたことじゃねぇよなと思ったりも
しますけど、
実際そういう目にあってみると
その当時はきついんですよね。

ただ、自分がそこで死んだりしたら
母親はなんで言ってくれなかったんだと
なるでしょうし、友達は驚くだろうし。

反抗期でもあったので変な感情ですけど、
その一件でやっぱり
うちの母親には借りがあると思ったのです。
娘のSOSに対して、子供の人間関係に首を突っ込んでまで
娘を守るということをしてくれた人に対して、
それ(自殺)は、やっちゃいかんだろう、と。

じゃあどうすればいいのか。
転校するほど家にお金があるとは思えないし。
学校に行かなくなるほどのことなのか。
ああもうイヤだなぁ と、
どうすれば問題解決になるのかで今度は悩み始めた。

そうしているうちにもあだ名はやまない。
クラスの女子の中には、そうした男子の笑いが
気になって、聞き出して一緒に笑ってる子もいて、
よけいにイヤだった。
(まぁ、取り入ってるんですよね、そっちに)

そうした時に自分の助けになったのは

「学校自体はあまりおもしろくなくても、
 それにうずもれてしまうことはない。」

という言葉でした。

いじめにあっていた女性の本にあった言葉で、
その女性は髪型から変なあだ名をつけられて
暴力的ないじめにもあったりしていたのですけど、
本を読むこと、そのなかで自分の世界をみつけていくことで
子供向けの図書室を作ったり
その中でのネットワークをひろげていくことで
その女性はしぜんと、その言葉に
たどりついていました。

本当にその通りだな
と思いました。

中学時代の私は、絵を描くことが好きで
月刊OUTとマイバースディを愛読しつつ
毎日お笑い番組を深夜まで見て、ラジオを聞いて
ぐふぐふ笑っているオタ女子でした。
東京進出したばかりのダウンタウンに夢中でしたよ。

そこだけ見たらのんきだったんですけど、
見る方向を変えたら、
同級生からのあだ名に苦しむ
キモめの女子でもありました。

違う方向からみればそうだからといって、
そっちに負けてしまう理由も必要もない。
苦しいことに負けることもできるけど、
楽しいことを選ぶこともできる。

もうひとつ救いになったのは

「時間が過ぎるのを待つ」

という言葉でした。
どんなに長くても、学生時代は一生じゃない、いつか終わる。
クラス替えがあれば1年、なくても3年で終わる。
夏休みと冬休みと春休みを減らせばもっと短い。

その間、他に楽しみを見つけるなり、
こまめに逃げるなりして、やりすごせばいい。

20年ぶりくらいに思い出して、
はじめて書きました。
自分にとっては、あだ名をつけられてたことは
もう、その程度のことに
なりました。

だけど、
忘れかけた頃の中学卒業時の色紙に
そのあだ名を書いてきた男子数人のことは
今でも本当に大嫌いだし、一生許さないと思います。
ここには書けないような言葉で呪いましたし
いまも思い出せば平気で呪えますね。
あー、一緒に笑ってた女子の顔も思いだすと腹立つ。

相手からしたら取るに足らないことかも
しれません。そのくらいでムキになんなよ
という話でしょう。
でも、やられた側にとってはそうじゃない。

そういうくだらないことで
余計な恨みは買わないほうがいいよ、
きみの輝かしい人生に汚点が残りますよ、
と、呪いながらも親切心で思います。

いじめに限らず、
いやなこと、どうにもならないことを
前にしたとき、
周囲の人のなにげない言葉や行動で
救われることはすごく多いです。

真っ黒に塗りつぶされたような
気持ちになっていたら、
すこしでも、その上に
楽しい色、明るい色を
重ねていってほしいと思います。

嫌なことに押しつぶされる必要はないです。
ほんとうに。

嫌なことに押しつぶされずに生き延びる、
そのことを体験として学ぶことができたら
その経験は一生役に立ちます。

以下、ネットでみかけていいなと思った物を貼っておきます。
もとはこれを紹介したくて書き始めた文章でした。


さかなクンのメッセージ
「広い海へ出てみよう」コチラ
http://www.asahi.com/edu/ijime/sakanakun.html

己のキャラ(※キャラではありませんね)に
さからわず、しかも沁みるメッセージ。
さかなクンさんカッコイイっす。


鴻上尚史さんのメッセージ
「死なないで、逃げて逃げて」コチラ
http://www.asahi.com/edu/ijime/kougami.html

さかなクンさんのメッセージよりも、さらに
緊急性が高く、しんどい思いをしている子へのもの。
いじめから堂々と逃げましょう。


この「いじめ対策」はすごい!
森口朗公式ブログコチラ
http://d.hatena.ne.jp/moriguchiakira/touch/20090520

ツイッターでみかけたものです。
教師の側からのいじめ対策。
よくある心構えではなく、
スキルとしてすぐに使えるのが
すばらしいなと思いました。
posted by ささきぃ at 13:17| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月08日

2012年5月に買った漫画たち

いつも「ちゃんと感想を書こう」と思いすぎて
なにも書けずに時間が過ぎてしまうので
こんな形で。

順番は購入順です。
『鉄風』5巻については、
ジュエルス大阪大会前日にスポナビブログへ書きました。


『姉の結婚』3巻



『娚の一生』よりも個人的にノレずにいるのは
やっぱり相手が既婚者だからなのかなぁと思ったりしつつ
それでも買ってしまう3巻です。
とはいえ物語と関係の深まりぶりは
やっぱり途中じゃやめられないなー見届けたいなー

『娚の一生』もそうだったのですが(『恋と軍艦』もそうかな)
なんていうか田舎の人間関係を描くのがほんとうにうまい人だな
と思います。
年配の方とかのおせっかいな感じとか空気読めない感
とはいえそれにどこかで助けられたりする とか
そういう関係がリアルで
あるあるこの感じ、とうなずきたくなります。

(もっと深い田舎をモデルにしているであろう『娚の一生』より
 人間関係がいくらかドライな感じも伝わります)
(この作品で言えば広島あたりがモデルの地区なのですかね)


ここから先は全部同じ日に買ったので読んだ順で

『きのう何食べた?』6巻


家庭的でいますぐ作りたい感の料理が満載。
しかしこの巻読んで食べたくなるのはやはり餃子でありましょう。
何度買いに行ったか。(作れよ)

過去の困った依頼人さんとか
司法修習生の長森さんとか
あいかわらず田淵くんはゴシップが好きとか
読み続けてるとおもしろいなという巻ですね。

そういった人間関係を確認したくて
過去の巻を読み返していて

「そうか!だからケンジは
 シロさんからの着信を
 『Get wild』に設定してたんだ!!」

とわかったときの喜びが大変大きかったです。
こまかいけどこういうのわかるの嬉しいですねー。
前から思っていたけど2人が住んでいる地域(のモデル)は
南阿佐ヶ谷ですよね。多分。


『にこたま』4巻


気になって買い続けています。
読んでスッキリ楽しめるという漫画じゃないですけど
それでも気になりますね。
舞台は吉祥寺あたりじゃないのかな。
ハッキリ何か出てきたわけじゃないですが。
なんとなく。

読み始めた頃から
「別れろ!別れろ!」と呪い続けてきたものの
ここまで読んでみると今後この2人どうすんだろ?と思っています。

気がつけば
『モーニング・ツー』のwebもチェックしているという。


『ZUCCA×ZUCA』3巻


宝塚好き漫画3巻。
なにかに夢中になる楽しさを思い出します。
いや、宝塚のヤバイというかうまいところは
そういうところだと思います。
グッズ集める楽しさとか、通ってしまう中毒性とか。
ここ数ヶ月行けてないんですが行きたいなー。
帯にもなっているねね様の美しさはヤバイ。


『ひらけ駒!』3巻


これは2011年9月発売で、
いまはもう5巻まで出てるようです。
最近読み始めて、本屋で探したけどなかったので
上3つの発売日にあわせてアマゾンで というやつです。

南Q太さんの漫画はほぼ読んでいたものの
ある時期、読むのがつらくなっていました。
でもこれはなんかご本人と作品との間に
いい距離があるように思います。
読んでてつらくないです。
なまいきいってすみません。

将棋そのものは私も指せます。
とはいえ駒の動かし方がわかるくらいですが。
(あと一局が長いからゲームでもうかつにはじめられない)

詰め将棋の本とか将棋の本を
兄といっしょに読んでいた小学生の頃を
思い出しつつ、こうやって伸びていくときって
たのしいよねと宝の成長を見守っています。

ツイッターで前に書いたけど
中学生くらいの男子2人が
電車の中で「2六金」「3五歩」(※この手はいいかげんです)
などと、盤もないのにお互いの頭の中だけで将棋をしていて
宇宙人じゃないのかとびっくりしたことがあります。

ちゃんと「えぇっ!そう来たか」とか反応しあってて、
あぁ、おたがい頭の中にちゃんと盤面があるんだ、
頭いいなーと思ってたら、将棋をされている方たちから
「普通にできますよ」と@をいただいたりしました。
そうなんだ…。

漫画に出てくる千駄ヶ谷周辺の光景がなつかしいです。
会社があったのでね。よく歩いていました。
みろく庵は行ったことないですが。


以上、『姉の結婚』以外は
おまえは講談社の犬か!というラインナップでした。
posted by ささきぃ at 10:39| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年05月22日

『モタク〜モテるオタクになる恋愛ガイド』発売!

お知らせですー

企画というか多少あれこれと
お手伝いさせていただいた本が発売されました。



『モタク〜モテるオタクになる恋愛ガイド』

著者:アルテイシア
出版:スコラマガジン

著者はmixi日記が書籍化され、
テレビドラマにもなった『59番目のプロポーズ』の
アルテイシアさん。
(ドラマをきっかけに藤原紀香氏と陣内智則氏が結婚、
 のちに離婚されました)

オタクの男性、シャイで奥手な男性に向けて
ごくごくマジメに書かれた
恋愛ハウツー本です。

なにをお手伝いしたかというと
この本のもととなった、携帯サイトで連載されていた
アルテイシアさんのコラム『恋愛☆電気アンマ』が
非常に面白かったので、
当時、辰巳出版にいた
元ダブルクロスの後輩、斎野に読んでもらって
本にならないものかなーと
相談したのが私でした。

紙プロ時代の斎野は佐山サトル先生の
ぶっそうなコラムを担当していた他
辰巳に移ってからでは
『Gスピリッツ』で活躍してましたので
ご存じの方もいらっしゃるかと。
モバイルゴングの印象が強い人もいたりするかなー。

斎野もアルテイシアさんのコラムをがっつり読み込んで
「人生でもっと早く読みたかった」と感銘を受けてくれ
書籍にすべく、ともにあれこれと動いてたのですが
(タイトル原案もその頃2人で考えたりしました)
昨年の震災の影響もあり
東北出身の斎野は仕事を離れ、ご家族と故郷に
戻ることになってしまいました。

そこからは斎野の先輩であるTさんが
企画を引き継いでテキパキと
書籍発行に向けて動いてくださったのでした。

本にしたいという最初の相談やら打ち合わせは
自分の本(『殴る女たち』)と
前後して行っていたので、
自分の本じゃないんですけど
そしてこうして書いてみても思うように
何やったのかスパっと言い切れない関わり方を
している本なんですけど、
なんか自分の本のように出たことが嬉しいし
この本が出ずに終わっていたら
自分の心残りになっていたことは確かです。

もうすこし個人的なことを言えば
『59番目のプロポーズ』のおもしろさと
ドラマチックさにひかれて
私は著者であるアルテイシアさんのファンになって、
mixiでやりとりをさせて頂いたりして、
この書籍の企画を深めていく段階で少しずつ
交流をさせて頂いて、いまではアルさんは
仕事仲間でありながら
私の大切な友達のひとりです。

そういう意味からも
なんだかとても思い入れが深いわりに
どう関わったんだか説明しづらい。

本の中身は大真面目に
恋愛の最初の一歩を教えてくれています。

ブログで、著者であるアルさん自身が

「つねづね言ってるけど、恋愛したくない人はしなくていい。
 私も『恋愛しなければ人にあらず』という風潮に
 ムカつき傷ついてきたので。」

と、書いていらっしゃいますが
わたしもまったく同じ意見です。

生きがいを見つけて楽しくやっている人にも
「恋人は?」「結婚しないの?」と
当たり前のように聞いて、それを笑う様を
本当にしゃらくせぇなと思います。

むしろ恋愛や結婚なんてものと無縁に
おのれが究めていくもの、究めたいと思っているものを
みつけた人を、尊いと思ったりもします。

それが人から見て
オタクと言われるような趣味であったとしても
べつに構わぬことで
むしろ自分で自分をご機嫌にする方法を
理解していて、いいじゃないすか、
みたいな印象です。

ただ、
本当は恋愛したい、結婚したいという気持ちが
ありながら、その手段がわからずにいたり
好きな人が出来ちゃって、どうにかしたいのに
どうしていいか分からずにいる人が
いるなら、そういう人には
素直になって、幸せになってほしいとも思う。

『モタク』は、傷つかずに
「素直になって、幸せになる」ための
方法を、丁寧に書いてくれています。

そして

高田総統のかつての名言で
「ヒマでモテないプロレスファン」という
言葉がありましたけど
それを笑って受け止めた上でブーイングを飛ばす
プロレスファンのビッグなハートが私は大好きです。
(たとえ陰で泣いていたとしても)

そのノリで、半笑いで
手にとってくれて、いいと思います。
「なにがモテるオタクだよw」というテイで。

たとえ生涯独身かつ童貞を貫いたとしても
人口の半分である女性を
エネミーだと思って過ごしていくよりは、
「扱い方は特殊だが、話せば分かる生き物」だと認識して
生きていったほうが、豊かであろうと思うのですね。

そこからでもいいし
そこからの一歩のためにも役立つ本です。

できれば
「女っておもしろいこと考えるな」
(※『お天気お姉さん』安達哲)くらいに感じるほど
関わって生きていってくれたら嬉しい。

あと、プロレス・格闘技ネタもかなり豊富ですよ!!
登場人物に相当なプロレス格闘技好きが
いらっしゃるし、何よりアルさんの旦那さんも
格闘家なので、いい感じに
オタクぶりを笑いつつ、打ち込む人を
大切にしてくれてます。

このへんの話と登場人物の、その人の
お話は、また改めて書きます。

アルテイシアさんブログ
「アルテイシアのもろだしな日々」

辰巳出版HP『モタク』書籍情報


posted by ささきぃ at 20:18| 宣伝します | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月13日

うさぎドロップのトリカゴ(ラストの感想なども含めて)

思いきりネタバレしてますので知りたくない方は
読まないでくださいね!

うさぎドロップといえば賛否両論の最終回。
私はどう感じたかと言えば
全然理解できなかったです。

いやー、ダメでしょ。
ダメですってそれは。

わたし宇仁田ゆみ先生の作品は
大好きで、「楽々」も「男女」も「喜喜」も
「スキマスキ」も「マニマニ」も「よにんぐらし」も好きで
「アカイチゴシロイチゴ」とかも大好きなんですけど
それでもあの結末は
いやーそりゃいかんて
と思ってしまう自分がいました。

アマゾンのレビューでは、これを読むことで
最終回の違和感がなくなった
なんていう感想もみかけた
番外編の10巻を今日購入して読んだのですが
残念ですが変わらなかったです。

漫画全体を通して言えば
第1部はほんとうに文句のない展開ですよね。
かわいいかわいい。
コウキママというヒロインの存在もあって
あぁここに出てくる人がみんな幸せになりますように
と祈りたくなる。

第2部の中学生編は
ダイキチの仕事場の感じとかすごくいいですよね。
コウキの彼女の話とか、正直
読んでて気分よくない展開だったんですけど
私はそれを

第1部の天国から一歩先に出た"外の世界”の現実

を描いていると思って読んでいたのです。

コウキが無自覚にグレていく様とか
(男児はああやって何も考えずにグレますね…)
紅璃先輩と別れようとして
りんのことを出されて脅されたりする場面とか
全然気分は良くないですけど
まぁそういうことも残念ながらあるのが
現実で。

そういう中で成長していくりんやコウキ
見守るダイキチたちを
読者としてひじょうに興味深く見守っていたのです。

いたのですが

最後にダイキチを選んじゃうなんて
それはりんが、外の世界に出て行くことを選ばず
2人の世界に閉じこもることを
結局、選んだように感じてしまって。

そりゃねぇよ

と思ったのです。

登場人物の誰もが現実と折り合いつける
努力をしているのに
りんだけが自分の生まれや家族
という問題から外に出ずに
結局、小さい頃に出逢った
優しい人といられる空間の中に留まってしまった
ように見えて
またそれを受け入れてしまっているダイキチに
キィイーとなったりしていたのです。

私は正子のキャラクターがすごい好きなんですけど
彼女のサバイバルぶりはたいしたものですよね。
対人スキルがないのに強引に生きている。

最初にあえて作品名をあげなかった
宇仁田ゆみ先生の「トリバコハウス」も
私は大好きな作品なんですけど、
それが好きだから余計にジレンマを感じるのかも
しれません。

「トリバコハウス」は主人公=ミキが
不器用ながらもなんとか自分で生きていく
ストーリーです。
(ヒーローの男子もすごくいい男です)

ミキはりんと違って家族はあるけれど、
関係はぎくしゃくしていて
家族の愛情や人との人間関係がうまく
むすべない女の子でした。

「トリバコハウス」では
年上の男性に家賃を出してもらいながら
生活してたミキが
その家を飛び出して自分の生きる道を探しつつ
支配したりされたりしない恋愛関係を結んでいく
わけですけど
その子を見ていいなと思っていた私なので
「うさぎドロップ」のりんを見て
ウギギとなってしまうのですね。

ダイキチという家族を得たりんが
外の世界で働いて恋をして傷ついて
成長していく様が見たかった。
そしてそうして送り出してやるのが
保護者の役目でもあるんじゃないのかな と
思うのです。

トリカゴから抜け出したミキに対して
りんは自らトリカゴに入ることを
選んだように感じてしまった。
トリカゴっていうか、単に
自分の価値観を否定されない、自分にとって理想的な
居心地のいい場所にいたかった
だけなんじゃないのかなと。
りんは美人で性格も良くて勉強も出来る
いい子なのですが、彼女が何を考えて感じているのか
感情移入しづらいなと思いました。

ただまぁ
運命の人に出逢ってしまったなら
それも仕方ないのかなと思う。
都合の良さとかも全部含めて恋ですしね。
ダイキチが報われて欲しい
というのは読者の誰もが思うことだったので
愛情を受けてきたりんが、ダイキチに愛情を返してくれる
というなら、素晴らしいラストなんだとも思います。
出来ればそうした過程を描いて欲しかったです。
現実的に考えれば障害はいっぱいなので。

連載中に現実の時代が
どんどん厳しくなっていったという
こととかも
少し影響しているのかなと思ったりします。

宇仁田先生の作品はどれもおすすめです。
トリバコハウスはとくに
未読の方はぜひぜひ。



・マニマニ

宇仁田先生の作品はここから入りました。
買ったきっかけは
当時巻かれてた西村しのぶ先生の帯に惹かれたからでした。
ひとすじなわじゃいかない感じが好きです。



・トリバコハウス

女子には嫌われやすそうなヒロインと
女子にはたいそう好かれそうなヒーローが出てきます。
全2巻プラス番外編。
脇役がみんな、いいです。


・よにんぐらし

家族もの。ほのぼのしきってしまいます。
弟夫婦や姉夫婦とかの異文化交流な
感じが大好きです。
全4巻。
posted by ささきぃ at 00:50| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月09日

『第三舞台と鴻上尚史〜復活から解散までの100日間』を見ました

WOWOW「ノンフィクションW」の
『第三舞台と鴻上尚史〜復活から解散までの100日間』
ようやく見ました。
放送を楽しみにしていてしっかり録画もしていたものの
なかなか見る時間がなくて、今になってしまったのですが感想を。

解散決定から千秋楽までの内容なのかなと思ったら
大隈講堂とかの古い映像もガンガン出てきて
第三舞台の歴史そのものを振り返るような内容になってました。

『深呼吸する惑星』は、最後だからというんじゃなく
第三舞台の作品の中で
私が一番好きな作品にもなった、ので
その作品の裏側を深く読み解けるのが
単純に嬉しかったです。

もうガンガンにネタバレ的なことも書きますけど
「亡くなった人と向きあって、それでも生きている」
というのが、私がこの作品を見て感じたテーマで、
その物語が出来るまでの話を知るのは、
人の傷あとに触れるような感じがありました。

相手はもう痛くないと言っていても
なんだか申し訳ないような
だけどそれによって相手を深く知れて嬉しいような。

一生さんの演じていた
「橘 伸哉」が、ノブヤの読みを変えてシンヤで、
劇団の旗揚げメンバーだった
岩谷真哉さんだなんて
旗揚げの頃から好きだった人なら
すぐに分かることなんだろうけど、
私は言われるまで分からなかった。

(タチバナはどこかで聞いたことあるなと
 思いましたが)
(『朝日のような夕日をつれて』の
 立花トーイのタチバナ?)

はりめぐらされた伏線にこめられた
大切な意味を知って
私はまた、世界の複雑さと
繊細さを知る。

岩谷さんが亡くなったのと同じ年に
亡くなった「橘 伸哉」を前に、
岩谷さんが亡くなったのと同じだけの
27年を過ぎて
筧利夫が演じる「トガシ」が語る。

「21歳の橘と、42歳の俺が一緒に映っていた。
 俺はどんなに自分が遠くまで来たか、
 鏡に映る姿に教えられた。
 旅を続け、年を重ね、
 そして何者でもないことをお前に教えられた。

 俺はお前の未来を奪い
 どんな未来も作っていない。
 あれから6年経って、21歳のお前の横に立つ
 48歳の俺は、やっぱり何者でもない」。

ラストシーンで
橘はトガシを抱きしめ、トガシも力を込めて彼を抱きしめる。

そしてトガシは自分から、橘の体を離して
橘をそこに置いて、歩き出していくのだ。

もちろんラストシーンに込められた意味は
岩谷さんのことだけじゃないだろうけれど
私がすごいなと思うのは
鴻上さんが大高さんに
「(高橋)一生(※橘を演じた役者さん)は、岩谷なんだよ」
と言ったこと、そのことそのものを含め
受けた傷、自分にとっての大切なことを
表現という場にさらすタフさです。

人の目にさらしてしまうと
作品を余計な色眼鏡で見られることもあるし
出来事そのものに対しても誤解や曲解を
うけることになるのは避けられないけど
そういうことに傷ついたとしても
さらけ出すタフさ。

それとも、そんなことでは
もう傷つかないのか。

最後だからなのか。

個人の思い入れを全部背負い込んで
それでも、作品として
つぶれてしまわずに成立している
思い入れを持って見ても、見なくても
観客が持っている色眼鏡の種類に関係なく
ちゃんと見られるものになっている、
「深呼吸する惑星」という作品のすごさ。

そういう重い役を客演で演じた
高橋一生さんの気持ちというのも興味はあったのですが、
番組では触れられていませんでした。
第三舞台の人間ではない高橋一生さんに
よぶんな色を付けることを避けたのか、
単に番組の時間が足りなかったのか分かりませんが
彼の透明感を守るという意味では良かったのではないか
と思います。

悔いのある別れ方じゃなくても
死によって人と別れるのはつらい。
もう逢えなくなるのはさみしい。

まして故人との間に解決できずに終わった問題があったり
感情のしこりがあったのならなおさら。

だけど生きている限りは進んで行かなくちゃいけない。

番組中、伊藤正宏さんが語っていた

「これは、葬式かもしれない。
 次の道へ行くための葬儀」

という言葉がさすがだなと思いました。
(伊藤さんは現在放送作家をされているそうです)

生きている人が前を向くために、
そして亡くなった人をもっと好きになるための
大切な儀式。

「ずっと好きだった」が、そういう意味で
さらにジワリときました。
posted by ささきぃ at 11:32| 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月24日

宣伝します(1102ver.01)

月刊スカパー!3月号で
ZERO1・橋本大地選手のインタビューを
やらせていただきました。
よろしくお願い致します!!

昨年のデビューのとき
両国国技館前で写真を撮って
そのあと大谷晋二郎代表と一緒に
インタビューをさせていただいて
それから、1年です。

最初のインタビューのときより
インタビューにも慣れて
言葉の選び方もすごいなめらかになったな
と思います。

成長のスピードってすごい。
それはリング上だけじゃなく
そんなところにも、感じました。
今後、成熟していく様も見ていくことができるのでしょう。

「今後、対戦してみたい選手は?」
という問いに対する答えは
ぜひ見てもらいたいのです。

「やってて面白くて
 まだ、シングルで当たっていない人がいます」

と、大地選手は答えてくれました。

そして「でも、その人、人気者なんだよなぁ」とも。

わたしもぜひそのシングルは見てみたいのです。

というか、スポナビのブログのどこかで
その人と大地選手の対戦について
ちまっと書いた記憶があります。

もしかして?と思った方も
思わなかった方も
どうぞ誌面でチェックしてみてください!

12022401.JPG

よろしく御願いします。
posted by ささきぃ at 11:27| 宣伝します | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月17日

ズシンときた本、よみました

※ショッキングなタイトルの本なので…
妊娠中の女性や「いま、そういう本を読みたくない」
という方は無理しないでくださいね。

「職場流産」という本を読みました。
正式なタイトルは
「ルポ 職場流産――雇用崩壊後の妊娠・出産・育児」

たぶん2年前の自分なら手にも取れなかった本です。

タイトルを見てビックリして
最初に感じたのは正直言って憤りのほうでした。

表紙もタイトルのショッキングさを煽っているように
感じられるので(私がこういう問題に過敏なのもあるはずですが)
よし読もう、だけど
単に仕事しすぎて流産、大変だね女性は、みたいな
安易な結論の本だったらマジで承知しねぇぞ、と
かなり本気の喧嘩腰で挑んだ本です。



(複雑な感情から表紙画像も小さめに)

最初に確認したのが発行年月日でした。
仕事を取り巻く働く環境については
いまの不況っていう問題を取り上げているかいないかで
全然こちらの読むスタンスが違うからです。
発行日は2011年8月25日。
では素直に読みます。

さきに言うと、そういうこちらの喧嘩腰は
いい意味で裏切られました。
重い本であることは確かなのですが
その重さに作者の本気がこもっていたので
確かに受け止めさせていただきました、と
敬意を込めて頭を下げたくなる本でした。

ごく簡単に内容を説明すると
仕事をしながら子供を持ちたいと思う女性たちの
非常にシビアな現状を真っ向から取り上げた本です。

「雇用問題によって『いのち』が奪われていいはずがない」
というのが
本全体に貫かれている断固とした主張です。

ただ、それに対して
「会社は責任もてないよ」
という、こうしたところでも突きつけられる
"自己責任”の壁がある。

実際、その線引きなり見極めなりは
その女性本人にしか取れないし、
ほんとうに会社は責任なんてもてないわけです。

「妊娠し、子供を産んで働き続けることが、
 そんなに悪いことなんだろうか」

「子供を産んでから、周囲に謝ってばっかり」

という本のなかに登場した女性の言葉は、
育児しながら働くことがいまの日本の中で
どれほどむずかしいかという現状をものがたっています。

きつい。
きついとうすうす分かっていた現状が
はっきりデータと文章になっているので
よけいきつい。

子供を産んで職場に復帰しても
保育費や交通費、諸費用を払うと
1日5時間のパートと収支が変わらない、といった
"フルタイム貧乏”なんていう問題も
あらためて知りました。

お金がそういう状況な上に
「子供を産んでから、周囲に謝ってばっかり」
という嘆きもある。働くお母さんはなんて大変なのか。

きついですよ。
きついけど不快ではない。
知りたかったことでもあるから。

最近の女性誌、というか
有り体に言えば日経WOMANとan.anと
Flauがなぜだか分かりませんが
ローテーションなのか?と思うくらいの頻度で
「母になる!」特集をしているのが
ひじょうに気になっていたのですが、
そうした雑誌の特集では
「周囲の協力が必要不可欠」
「妊娠前からしっかりチェックを」といったような言葉で
かるく触れられている部分が
こうした復職や両立の部分でもあります。

読むたびに
いやそこが肝心だろう
とは思っていたのですが
真剣に見るとこれほどきついものか。

そのきつい現状を
看護と介護、保育といった
ひとの命をあずかる仕事にたずさわってる人たちが
ギリギリで踏ん張るように支えてくれている。

介護や保育にたずさわる人たちのお給料が安いということは
知識として知ってはいましたが
そのことについてもしっかり触れている本です。

働くこと、家族、という問題を真剣に考えたら
たしかにそこから目をそらしてはいけない。

きついよと思いながらも頑張って読み進めていったら
障がいをもった人の雇用や
流産、死産を経験した女性の心のケアの問題にまで
触れられていたので、心から感服しました。

書いててつらいですけど
すべての子が何事もなく生まれてくるかといったら
そんなことはないわけです。

「世の中には障がいでなくても、ハンディキャップを
 負う人はたくさんいる。そうした人に適応できない
 世の中こそが変わらないといけない」

きれいごとのようでも
それに取り組んで居る人がいることに
どれほど希望がもてるか。
まして、その取り組みによって売上を
あげている会社がある。

"若い人がいなければ、街に活気は出ない。
当たり前のように子供を産むことができない社会が
経済を支えられるわけがない。
ここで大きく舵を切らなければ、日本は滅びる。”

そして、そのうえで

”子供をもたない選択をした人も、
自らの生きがいを追い求めることができること。”

語られていることそのものは
ニュース等で、しょっちゅう
耳にする言葉のようですが
徹底的に現実を見つめた上での
静かで重い警告であり、真剣な訴えでした。

データが詰まっているのですが、図表などは
少ないので、いささか読みづらい感はあります。
そのあたりはもう少しなんとかできたのではないか、
もっと切り分けて提供したほうが
手に取られやすいのではないか、なにより
タイトルと表紙がショッキングすぎるので
ちょっとそこで手に取られにくくなって
しまっているのではないか、というのが
私のよけいなおせっかい感あふれる正直な感想です。

でも、そうした手に取りにくさを超えて
喧嘩腰ではあったけど
読んでみて、ほんとうによかったです。

最後に、
著者が自分と同い年(1975年生まれ!)だと知って
その事実がどすんと来ました。

人と自分を比較して
悩んだりするようなことは
めったにないんですけど
落ち込みました。
活を入れられました。
ズシンと。

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出版社・岩波書店HP内のデータページ
著者からのメッセージ、目次、
あとがきの一部が読めます。
posted by ささきぃ at 22:57| 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月15日

弘法も筆の誤り、的な

ツイッターでもリアルタイムに
ツイートしていたのですが

今日、乗ったバスの運転手さんが
道を間違えたのです。
路線バスで。

家の近くで、
曲がる一本前の道を曲がってしまわれて
「えっ」と思ったときに
同じバスに乗っていたおばあさんが
「ここじゃないんじゃないの」とツッコミを。

運転手さん、あわててバスを止めて
会社に電話してらっしゃいました。
報告義務とかがあるんですかね。

ぐるーーっと道を回ってUターンして
10分遅れぐらいで元のルートに
戻りました。

バスの中は妙な空気になってましたけど
あとから乗ってきた人は
単に道が混んでたとかで
遅れたんだと思うんだろうなぁ。

びっくりしましたよ。
間違えると思わないし。

過去、川崎で道を間違える運転手さんが
多発したらしく
間違えたあげく、行き先を勝手に変えて
運行を続けた方もいらしたそうです。

(リンク)このバスどこ行き?
経路間違え勝手に行き先表示変更 川崎市


機転がきくね。そうじゃない。

頼りにしてるから頼みますよ
という話です。

ちなみに、私は結果として遅刻したので
損害と言えば損害をこうむったのですが
理由を話したら、めったにない事だということで
笑って許していただけました。

いまはまぁ私も笑っていられるんですけど
乗っているときは
「この運転手が突然暴走しはじめたらどうしよう」
と思ったりして、ちょっと怖かったです。
posted by ささきぃ at 23:59| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする